恋文のようなもの
「担当」ではないけれど、好きで好きでたまらないアイドルがいた。
今や彼は「元アイドル」なのだろうけど、彼はジャニーズJr.にいて、私はもう10年以上KAT-TUNのファンをしていて、「担当は?」と聞かれれば「亀梨和也です」と答える。
矛盾しているかもしれないけれど、彼のことが好きで好きでたまらない。
彼を初めて認識したのはいつだったのか、思い出せないけれど、最初から彼に対して何か感情を抱いていたわけではなくて、2013年の11月分の少年倶楽部の放送でとても気になる人がいて、調べてみればそれが彼だった。
過去の雑誌や録画しておいた番組をあさって、TwitterやGoogleで彼の名前や彼に関連するワードを何度も検索して、私が認識していた彼とそのとき見た彼の間のブランクをどうにか埋めようとしていた。
彼の関節が柔らかいダンスやコロコロ変わる表情、周りで踊ってる仲間に笑いかける陽気さに惹かれたし、何よりも顔がタイプだった。
あるとき、情報局から配信された動画に彼の姿がなかった。
体調が悪いのかな?もしかしたら別の仕事があるのかも!
いい方向にだって考えられた。
けれどその後行われた少年倶楽部の収録にも、雑誌のグループのページにも彼の姿はなかった。
彼の話題すら出ていなかった。
ジャニーズ銀座が発表されたのに、そこにも彼の名前はなかった。
もう、絶望的なのだと思った。
だけどどうしても信じたくなくて、プロフィールが消えるまでは微かな望みを捨てたくなかった。
そして3月、彼のプロフィールが消えたらしい。らしい、なのは実際に見る勇気がないから。
けれど、情報局のTravis Japanのページを見ると、集合写真に不自然なスペースがあって、彼の姿だけ綺麗に消されていて。
それを見て、初めて彼はいなくなったんだと実感して涙が出てきた。
あのダンスも、あの笑顔も、もう彼を見ることは出来ないんだ。
デビューしていたって、アイドルはある日突然姿を消してしまう。そんなことはKAT-TUNを好きになって経験したはずだったのに。
私はデビューもしていない、とっても不安定な場所にいる拡輝くんに勝手に期待して、次の現場もいるだろうと胡座をかいて、そして今、勝手に絶望している。
もっと彼のいる現場に足を運んでいればよかった。もう一度くらい彼の団扇を持ちたかった。
好きで好きでたまらなかったのに、担当じゃないから、と下手に距離を置いてたくさんの後悔を残してしまった。
とても恥ずかしいことを言うけれど、初めて拡輝くんが気になった日からずっと抱き続けている気持ちは恋に限りなく近いもので、でも、拡輝くんはアイドルで私はただのファンだから、その唯一の接点がなくなった今、まるで失恋したような気持ちを味わっているのだと思う。
拡輝くんのことを好きになって3年と少しという短い時間だったけれど、いつだって最新の 拡輝くんが1番かっこいいと思えたし、言葉やパフォーマンスで彼にがっかりさせられたことも全くなかった。
無茶なことをいうけれど、担当を聞かれて「仲田拡輝です」と言える人生も送ってみたかった。
拡輝くんが今後どんな道を歩むかなんて私は知らないし、彼の人生なのだから彼がどんな選択をしようとも絶対にその選択を非難はしたくないと思っているけれど、やっぱり今はただただ悲しくて寂しい。
だから気持ち悪いオタクかもしれないけど、せめてもう少し、拡輝くんの今後の幸せを祈らせてほしい。
君の未来に幸あれ